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東洋医学から見た便秘の原因と対策|気滞・気虚・熱タイプ別に妊活鍼灸師が解説

📅 2026年6月更新✍️ 妊活鍼灸師コラム|kukuna

🌿妊活鍼灸専門・東洋医学の視点から体の不調をわかりやすく解説します
🌿便秘は「なんとなくつらい」だけでなく、体全体のバランスが乱れているサインでもあります。
東洋医学では、便秘はひとつの原因ではなく、体質やライフスタイルによって異なる複数のパターンがあると考えます。
自分のタイプを知ることが、便秘改善への近道です。
こんな症状・お悩みはありませんか?
  • 便秘が続いていて、お腹が張る・重い感じがする
  • ストレスがかかると便秘になったり下痢になったりする
  • 疲れているとき、食欲がないときに特に便秘になりやすい
  • 夏になると冷たいものを飲みすぎて、腸の調子が悪くなる
  • 便秘薬や下剤に頼りたくない

東洋医学から見た便秘の考え方

東洋医学では、便秘は大腸の「運化機能(伝導機能)」が低下した状態と捉えます。その原因は体質・食事・感情・生活習慣など様々で、単純に「水分不足」や「食物繊維不足」だけでは説明できないと考えます。

基本的には体内に余分な熱が発生することで腸が乾燥し、便の通りが悪くなると考えられています。ただし同じ便秘でも、ストレスからくるもの・疲労からくるもの・栄養不足からくるものなど、原因によって症状の現れ方が異なります。

妊活鍼灸の現場でも、便秘を抱えながら来院される方は少なくありません。腸内環境の乱れはホルモンバランスや免疫機能にも影響するため、妊活と腸の健康は深く結びついています。まずは自分の便秘のタイプを知ることが、体質改善への近道です。

あなたはどのタイプ?4つの便秘パターン

東洋医学では便秘をいくつかのタイプに分類します。自分に当てはまるものを確認してみてください。

🔥熱タイプ:体内の熱による便秘

甘いもの・脂っこいもの・辛いものの食べすぎ、過食によって体内に余分な熱が発生し、大腸の運化機能が低下することで起こります。

特徴的な症状:硬くて乾燥した便、胃のあたりの灼熱感、口臭、呑酸(胃酸の逆流)、口の渇き

💨気滞タイプ:気滞(ストレス)による便秘

精神的なストレス・感情の抑圧・自律神経の乱れによって「気」の流れが滞り、腸の動きが悪くなることで起こります。現代人に最も多いタイプのひとつです。

特徴的な症状:便の形が一定でない、げっぷが頻繁、腹部・胸の張り感、ストレスで悪化、便秘と下痢を繰り返すことも

🌱気虚タイプ:気虚(疲労・栄養不足)による便秘

慢性的な疲れ・食欲低下・栄養不足によって「気」が不足し、腸を動かす推進力が低下することで起こります。便が出ても疲弊感が残るのが特徴です。

特徴的な症状:排便後の強い疲労感、力んでも出にくい、食欲不振、全身の倦怠感、声に力がない

💧血虚・陰虚タイプ:血虚・陰虚(栄養・潤い不足)による便秘

血の不足・滋養不足によって腸が乾燥し、便を押し出す力と潤いが失われることで起こります。女性や高齢者に多く見られます。

特徴的な症状:めまい・立ちくらみを伴う、乾燥した兎糞状の便、顔色が白っぽい・黄色みがない、爪が割れやすい

夏の便秘に多い原因——冷えと清涼飲料水

暑い日が続くと冷たいものを口にする機会が増えます。エアコンの効いた部屋に長時間いると快適に感じますが、カラダの深部が冷えてしまい、腸の働きが低下することがあります。適度な水分摂取は必要ですが、飲み物の種類には注意が必要です。

 

NOTE

清涼飲料水を水代わりにしていませんか?

清涼飲料水には水分の吸収を良くするために糖分がかなり多く含まれています。糖分の過剰摂取は体内に熱を発生させ、便秘の「熱タイプ」を悪化させる原因にもなります。

おすすめの水分:水・麦茶・ハーブティーなどのシンプルな飲み物。清涼飲料水を飲む場合は薄めるか量を減らしましょう
NOTE

冷えによる腸機能の低下に注意

冷たい飲食物の過剰摂取やエアコンによる体の冷えは、腸の蠕動運動を低下させます。東洋医学では「寒邪が腸に凝滞する」と表現し、腸の伝導機能を阻害するとされています。

対策:腹巻きで腹部を温める、白湯や温かいお茶を飲む習慣をつける

腸を休ませることの大切さ

お腹がグーっと鳴ると「空腹だ」と感じてすぐ食べたくなりますが、実はこの時、腸は掃除(消化管の洗浄運動=MMC)をしています。食事と食事の間に胃腸を休ませる時間が大切です。

ずっと胃腸に食べ物が入っている状態では、腸が休まる時間がなく、消化・吸収の効率も落ちてしまいます。食べても満腹感がない・栄養が吸収されにくいという状態になることもあります。

①食事と食事の間隔をあける

理想は食後4〜5時間あけること。間食の習慣がある方は少しずつ減らし、腸が掃除できる時間をつくりましょう。

腸の掃除時間:空腹になってから約90分、腸は蠕動運動で自己洗浄を行います

②晩御飯はなるべく早い時間に

遅い時間の夕食は消化しきれないまま就寝することになり、腸への負担が大きくなります。難しい場合は消化の良いものをよく噛んで食べるようにしましょう。

目安:就寝の3時間前までに夕食を済ませるのが理想

便秘と鍼灸に関する研究・エビデンス

鍼灸が便秘に与える効果については、国際的な査読付き学術誌にも複数の研究が掲載されています。代表的なものをご紹介します。

📄 電気鍼と慢性重症便秘のRCT(大規模)

Liu Z, et al. “Acupuncture for Chronic Severe Functional Constipation: A Randomized Trial.” Annals of Internal Medicine, 2016.
掲載誌:Annals of Internal Medicine(世界最高峰の内科系医学誌)/ 15病院・1,075名 / ClinicalTrials.gov: NCT01726504

中国15病院において慢性重症機能性便秘患者1,075名を対象に、8週間の電気鍼(28セッション)と偽鍼を比較した大規模無作為化比較試験(RCT)。

結果:電気鍼グループでは週あたりの完全自発排便回数(CSBM)が1.76回増加したのに対し、偽鍼グループでは0.87回の増加にとどまり、グループ間に有意差(P<0.001)が認められました。効果は20週の追跡期間中も持続しており、鍼灸が慢性便秘の長期的改善に有効である可能性が示されました。

📄 鍼灸と漢方の併用メタ解析

Lin et al. “Combination of acupuncture and traditional Chinese medicine for functional constipation: A meta-analysis.” Complementary Therapies in Clinical Practice, 2022.
掲載誌:Complementary Therapies in Clinical Practice / 22RCT・2,574名のメタ解析

鍼灸と漢方薬の併用が機能性便秘に与える効果を検討した22本のRCT・2,574名のメタ解析。

結果:鍼灸と漢方薬の併用は、臨床的有効率を有意に改善しました(OR=6.10、95%CI: 4.72–7.87、P<0.00001)。異質性も低く(I²=2%)、一貫した効果が示されています。

📄 気滞・気虚タイプへの電気鍼(支溝穴)

Zhou J, et al. “Multi-central randomized controlled trials of electroacupuncture at Zhigou (TE 6) for treatment of constipation induced by stagnation or deficiency of qi.” Zhongguo Zhen Jiu, 2006. PMID: 17722820.
掲載誌:Zhongguo Zhen Jiu(中国鍼灸学会誌)/ PubMed収録

気滞・気虚タイプの便秘患者を対象に、支溝穴(TE6)への電気鍼と非経穴への偽鍼を4週間比較した多施設RCT。

結果:支溝穴への電気鍼は臨床症状と大腸通過時間を有意に改善し、有効率94%が報告されました。下剤・浣腸の使用率も減少しており、1・3ヶ月後の追跡でも効果が持続していました。東洋医学的なタイプ分類に基づいたツボ選択の有効性を示した研究です。

📄 東洋医学的外治療法のメタ解析

Zhang Y, et al. “Effect of traditional Chinese medicine external therapy for functional constipation: a meta-analysis.” PMC, 2023. PMC9908441.
掲載誌:PMC / PMC9908441

鍼灸・お灸・ツボ押しなど東洋医学の外治療法が機能性便秘に与える効果を検討したメタ解析。

結果:お灸や鍼灸などの東洋医学的外治療法は、経絡の気血を疏通し、臓腑の陰陽を調整することで腸の伝導機能を促進し、機能性便秘患者の自発排便回数(SCBM)を有意に増加させることが示されました。

※ 上記は査読付き学術誌に掲載された研究ですが、対象・デザイン・結論は様々です。個人の体質・症状によって効果は異なります。あくまで参考情報としてご覧ください。

鍼灸でできること

鍼灸は便秘のタイプに合わせたツボへのアプローチで、腸の機能回復をサポートします。上記の研究でも示されているように、慢性的な便秘・薬に頼りたくない方・体質から整えたい方に特に効果が期待できます。

熱タイプへのアプローチ

体内の余分な熱を取り除き、腸を潤すツボへのアプローチ。腸の伝導機能を回復します。

気滞タイプへのアプローチ

自律神経を整え、気の流れを促すツボへのアプローチ。ストレスからくる腸の緊張をほぐします。

気虚・血虚タイプへのアプローチ

気・血を補い腸を動かす力を養うツボへのアプローチ。腸の推進力と潤いを回復します。

まとめ

東洋医学では、便秘はひとつの原因ではなく熱・気滞・気虚・血虚・陰虚

など体質によって異なるパターンがあると考えます。自分のタイプを知り、食事・水分・生活習慣を整えることが便秘改善の第一歩です。

慢性的な便秘には鍼灸が有効というエビデンスも蓄積されています。薬に頼らず体の根本から整えたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

🌿 この記事のポイントまとめ
  • 東洋医学の便秘は「熱・気滞・気虚・血虚・陰虚」の5タイプに分類される
  • 甘いもの・脂っこいもの・辛いものの食べすぎは体内に熱を発生させ腸機能を低下させる
  • 気滞(ストレス)タイプは便の形が不定でげっぷ・腹部の張りを伴う
  • 気虚タイプは排便後の強い疲労感が特徴——栄養補給と休息が重要
  • 清涼飲料水の飲みすぎは糖分過多で腸環境を悪化させる
  • 空腹時は腸が掃除中——食事の間隔をあけ腸を休ませることが大切
  • 大規模RCT(1,075名)で電気鍼の有意な便秘改善効果が確認されている
🌿

心当たりはありましたか?

便秘のタイプは人によって違います。
「なんとなくつらい」を放置せず、体のサインを読み取って整えること
腸の健康だけでなく、全身の体質改善にもつながります🌿

便秘・下痢は腸の炎症です。
体の炎症は着床を阻害することが分かってきています。
まずは身体の状態をしっかりと把握して、体質改善していきましょう!
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📚 参考文献
  1. Liu Z, et al. Acupuncture for Chronic Severe Functional Constipation: A Randomized Trial. Ann Intern Med. 2016;165(11):761-769. PMID: 27618593.
  2. Lin et al. Combination of acupuncture and traditional Chinese medicine for functional constipation: A meta-analysis. Complement Ther Clin Pract. 2022. ScienceDirect.
  3. Zhou J, Qin ZY, Li WL, et al. Multi-central randomized controlled trials of electroacupuncture at Zhigou (TE 6) for treatment of constipation induced by stagnation or deficiency of qi. Zhongguo Zhen Jiu. 2006;26(9):617-620. PMID: 17722820.
  4. Zhang Y, et al. Effect of traditional Chinese medicine external therapy for functional constipation: a meta-analysis. PMC. 2023. PMC9908441.
  5. Frontiers in Medicine. Chronic constipation and the brain-gut-microbiome axis: the role of 5-HT signaling and Traditional Chinese Medicine in pathophysiology and treatment. Front Med. 2025.
※ 本記事は一般的な情報提供と東洋医学的な観点からの解説を目的としており、特定の疾患の診断・治療を保証するものではありません。症状が続く・気になる場合は、専門の医師にご相談ください。

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